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Scythe大鎌戦役のミニチュアを初心者が塗装した全記録(計画、道具、手順)

ゲーム

こんにちは、ムラサキと申します

皆さんは「Scythe -大鎌戦役-」を初めて手にとったあの日のことを覚えていますか?

きっと、多くの人が

多くの人
多くの人
  • 陣営ごとにメックやキャラクターのデザインが違うだなんて凄い!
  • しかも、どのデザインもカッコイイ!
  • ここまで凝ったデザインじゃなくてもゲームとしては成立するのに…(もはや困惑)

と感激したに違いありません。そして、

多くの人
多くの人

せっかくだから、ミニチュアを塗装したいな…

と一度は夢を抱いて画像検索し、Kanjinさん等のような素晴らしい作品をweb上で見つけて興奮するものの、

多くの人
多くの人
  • 初心者の自分には無理だ…
  • 道具を揃えると、お金もそこそこかかりそうだ…
  • 自分で下手に塗って、取返しがつかなくなるのは嫌だし、さっさと諦めよう…

と、ひっそりと塗装から撤退した経験があるに違いありません。

私もその1人だったのですが、先日ついに一念発起して塗装したので、その全記録を記載します。塗装初心者(初挑戦者)仲間のどなたかの参考になれば嬉しいです

ちなみに、私は普通の会社員です。不器用ではない方だとは思いますが、塗装や美術の経験はほぼ無いため、計画立案や道具調達からスタートしました

最終的な仕上がりを先に示すと、こんな感じです(写真)。

最終的な仕上がり。メックはメタルメック風に、キャラクターは銅像風に塗装した。

計画立案 =初心者だからこそ=

まずは、自分のような塗装初心者の弱点や課題を整理し、自覚することから始めました。

  • 細かい塗分けをする技術は無い。
  • 道具や塗料をたくさん買い揃えても、今後Scythe以外には使わないかもしれないし、そもそも途中で失敗して諦めてしまうかもしれない

というわけで、以下の大方針を立てました。初心者だからこそ、計画は慎重に。

大方針
・陣営ごとに色は変えず、極力、購入する塗料の種類を減らす。
・プロや上級者達の配色を真似せず、多くても3色程度の塗分けにする。
・購入する道具は必要最低限にする。

この大方針に沿うように、メックはメタルメック風に、キャラクターは銅像風に塗装するという作戦を立てました。

余談ですが、メタルメック(Metal Mechs)というのは、かつて、全世界で4000セット生産された、シリアルナンバー入りの金属製のメックです。現在はほぼ流通していないと思います。私は未入手です
([2022年6月 追記] 重版されて、最終的には計10000セット程度生産されたようです)。

Metal Mechs
Scythe Metal Mechs is an individually numbered, foil embossed boxed set containing 1 metal mech (inkwashed zinc) from each faction*. The mechs are protected by ...

メックの塗装に関しては、私は少しチャレンジしたくて、やや細かい塗分けにも挑戦しましたが、メタルメックのような銀色一色でも十分雰囲気は出ると思います。

キャラクターを人ではなく英雄像のように塗ってしまうというアイデアは、細かい塗分けをできない初心者にとっての、なかなか良い解決策ではないかと思います。

仕上がりは、こんな感じ。

道具調達 =必要最低限に=

新たに購入したものを列挙していきます。
購入する道具は必要最低限にする」という方針なので、下記の塗料等以外は、基本的には家にあったものを使用しました(紙皿、紙コップ、使い古しの絵筆、歯ブラシ、割り箸、爪楊枝、ダンボール箱、両面テープ等)。

塗料

シタデルカラーで統一しました。多くの上級者も愛用している塗料ですが、乾きやすく重ね塗りもしやすいという点で、むしろ初心者にも向いていると感じました。

  • 乾きやすい=数分で乾くので、次の色を塗るまでに何時間も待つ必要がなく、次から次にいろいろと試せます。
  • 重ね塗りしやすい=ハミ出したり間違えたりしてしまっても、上から別の色を重ねて修正できます。


下記を一式そろえるとそれなりの種類になりますが、低コスト化のために手持ちの絵の具等で代用するのは、あまりお勧めしません。カッコイイ色の塗料であればあるほど、初心者が塗ってもそれなりにカッコ良く見えるはずなので、むしろ初心者がお金をかけるとしたら塗料だと考えました。

ただ、そうは言っても、なんでもかんでも購入すると、あっという間に高額になるため、メカ風の塗装事例をwebでいろいろ検索して、最低限、必要そうな塗料を吟味、厳選しました

  • ベース
    下地となる濃い目の塗料です。
    Leadbelcher:メタルメック風の銀色。
    Balthasar Gold:銅のような色。キャラクターを銅像風にする際と、メックを部分的に塗分ける際に使用しました。
    Abaddon Black:黒。ほとんど使いませんでしたが、ラスヴィエト連邦のメックの鎌等にどうしても使いたくて購入しました。
  • シェイド
    薄めた墨汁のような塗料です。初心者の私でも、全体に塗りたくるだけで、それっぽい陰影を付けられました。私は2種類買って試しましたが、どちらか一方でも良いのかもしれません。
    Nuln Oil:黒い陰影を付けられます。
    Agrax Earthshade:焼き付いたような赤黒い陰影を付けられます。
  • ドライ
    Necron Compound:パサパサした塗料で、仕上げに端部等に少し擦り付けると、金属光沢のような雰囲気を出せます。
  • テクニカル
    Nihilakh Oxide:銅の錆(緑青)を表現できます。
  • テクスチャー
    Stirland Battlemire:地面用に、土のような凹凸をつけられる特殊な塗料です。

上記のシタデルカラー以外では、アーミーペインターを使用されている人が多いようです。

赤、青、黄などの代表的な色のスターターセットが、比較的安価に入手できるようですので、各陣営カラーに塗りたい場合には、良いのかもしれません。

その他

  • サーフェイサー
    塗料の食いつきを良くするための下地スプレーです。黒や灰色等の種類がありますが、初心者には違いはわからなそうだったので、入手しやすく安価なMr.サーフェイサー1000(スプレータイプ)を購入しました。特に問題はありませんでした。
  • 筆(極細)
    私の場合は細かい塗りにも少しチャレンジしたので、「極細」と記載のある筆を1本追加で購入しておきました。極細以外に普通の太さの筆も2~3本あった方が便利なので、使い古しの絵筆等を持っていない場合は購入しておくと良いと思います。
    極細以外は、100均等の安いもので問題ありません。むしろ、上手くなるまでは筆の根本まで塗料をつけすぎて筆を痛めてしまったりしやすいと思われますので、初めは安めの物でトライしてみるのが良いと思います。
  • マスキングテープ
    何でも良いと思います。私はタミヤの黄色いやつを購入しました。

[追記]
この記事作成時点では私は持っていませんでしたが、乾きやすいシタデルカラーを使用する際には「ウェットパレット」も購入しておいた方が良いと思います。安いものは200円程度で買えます。

作業途中で塗料が乾燥してしまうのを、防いでくれるパレットです。購入経緯は、下記の関連記事に記載しました。水で湿らせたスポンジ+クッキングシート等で自作することもできるそうです。

手順

洗浄、乾燥

キッチン洗剤と使い古しの歯ブラシで、ミニチュア達をゴシゴシと洗浄後、キッチンペーパーでよく水気をふき取って、一晩乾燥させました。

目には見えなくても、油汚れ等が付着している可能性があるので、後々、塗料を剝がれにくくするために大切な工程です。

マスキング

私の場合、各陣営カラーの塗料は購入しなかったので、台座の色を塗りつぶさないように残しておく必要がありました。今回は、台座側面の色だけ残すことにし、写真のようにマスキングテープで隙間無く覆いました。

台座のマスキング

治具(という名の割り箸)への取付け

スプレー後は乾くまでミニチュアに直接触れなくなるため、写真のように台座の底面を割り箸テープで固定しました。
スプレー中や搬送中に剥がれてしまわないように、両面テープとマスキングテープの両方を使用して、強固に固定しました。

治具(という名の割り箸)への固定

サーフェイサーの吹付け

塗装ブース(という名のダンボール箱)の中で、サーフェイサーを吹き付けました。
スプレー後は、一晩、埃の少ない室内で乾燥させました。

塗装ブース(という名のダンボール箱)でのサーフェイサーの吹付け

塗装開始

細かい作業になるので、持ち手があると便利です。子どものシャボン玉液の容器が、手にフィットする素晴らしい形状だったので、写真のように、私の場合は、シャボン玉容液の容器に両面テープでミニチュアを固定して作業しました(先日、イタリア人の塗装YouTuberを観ていたら、ワインのコルクに貼り付けて持ち手にしていました。おしゃれでした)。

塗料を薄めるためのパレットや水を入れておくバケツの代用としては、使い捨ての紙皿や紙コップを使用しました。汚れたバケツの掃除や管理は大変なので、何度も使わないならば、紙コップ等で使い捨てにしてしまうのがむしろ楽だと思います。

まずはベースカラーを、水で薄めながら2~3回重ね塗りします。すぐに乾きますので、細かい塗分けが無ければ短時間で完了します。塗料は、よく振ってから使用しましょう。

持ち手(という名のシャボン玉液の容器)とパレット(という名の紙皿)

ミニチュア塗装時の持ち手としては、下記のような便利な道具も存在するようですが、初心者はここにはお金を使わなくても良いかな、と思い、私は購入を見送りました。

メックの塗装

まずベースカラーを塗るだけで、下の写真のような感じになります。
私はチャレンジしたくて、少し細かい塗分けにも挑戦しました。

クリミアのメックへのベースカラー塗装

写真のクリミアの塗分けには相当時間をかけて苦労しました(何度も手直ししました…)ので、手軽に短時間で塗装を楽しみたい場合は、塗分けは行わず、一色のみでベタ塗りしても良いと思います。
ただ、シタデルカラーの場合、失敗しても上から別の色を重ね塗りすればOKなので、まず塗分けに挑戦してみて、無理そうだったら単色に塗りつぶす、という方針変更も可能です。

さらに、シェイドドライを塗ると下の写真のような感じになります。

シェイド、ドライ塗装後

薄めた墨汁のようなシェイドを全体に塗ると陰影が付き、尖った箇所や角部に少しだけドライ塗料を擦り付けると、金属光沢ような表現をできます。
わりと大雑把に作業してもそれっぽくなるので、私のような初心者でもうまくなった気になれる楽しい工程です。ドライ塗料は、付けすぎると全部白くなってしまうので、ほんのちょっとにしておくのが良いです。

最後に、テクスチャ塗料を台座上面に塗って完成です。テクスチャ塗料は、リアルな土のような質感の特殊塗料で、筆では塗りにくいため、爪楊枝で少しずつすくって、広げるような方法で塗布しました。やや根気のいる作業なので、簡略化したければ、黒等のベース色で塗ってしまっても良いかもしれません。
あるいは、もし購入する塗料の種類を増やしても構わないならば、台座は各陣営カラーでベタ塗りしても良いかもしれません。そうすると、メックが何色陣営なのかがよりわかりやすくなり、ゲームプレイ時の視認性が向上すると思います。

なお、メック本体の話に戻りますが、ラスヴィエト連邦のメックの鎌の表現としては、他と同様の色だと物足りなかったので、真っ黒に塗った後、ドライ塗料を少し多めに擦り付けて、下の写真のような感じにしてみました。

ラスヴィエト連邦のメックの鎌

キャラクターの塗装

まずは銅色のベースカラーをキャラクター、台座全体にベタ塗り後、シェイドもベタ塗りしました。キャラクターでは、細かい塗分けはしない方針だったので、メックよりだいぶ楽でした。

その後、Nihilakh Oxideという、銅の錆(緑青)を表現できる特殊塗料を部分的に塗って、銅像っぽい感じに仕上げました。顔のあたり等は極力付けすぎないように配慮しつつ、大雑把に塗りましたが、わりとそれっぽくなった(と自分では)思っています。

銅像風の塗装完了後のキャラクター

感想

メックの塗分け等はややチャレンジングで、手間も時間も結構かかりましたが、おおむね計画通りに進めることができ、完成品の仕上がりとしても、作業の楽しさとしても、自分としては、かなり満足感の高い体験をできました。Scytheへの愛着も格段に向上しました

この記事が、同じようにチャレンジしてみようと思っていた塗装初心者の皆様の参考になったなら幸いです。

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