2021年12月、待望の「テインテッド・グレイル完全日本語版」が発売されました。
これまでミニチュア塗装に興味の無かった人でも、メンヒルの造形の凄さを目の当たりにして、できれば塗装した状態でプレイしたいと感じたのではないでしょうか。しかし、多くの人は
- 初心者の自分には無理だ…
- 道具をあれこれ揃えると、お金もかかりそうだ…
- 自分で下手に塗って、取り返しが付かなくなるのは嫌だし、さっさと諦めよう…
と、なかなか一歩を踏み出せないのではないでしょうか。私もその1人だったのですが、1年ほど前に「Scythe 大鎌戦役」の塗装に初挑戦した経験を活かしつつ、今回、2度目の塗装チャレンジをしてみることにしました。
慎重派なので、あれこれ下調べした上で、頑張ってみました。自分なりには満足のいく完成度に仕上がったので、記録を共有します。同じような塗装初心者仲間のどなたかの参考になれば幸いです。
配色は、いくつかの海外の塗装事例等をwebで調べて参考にした上で、まずは簡単にマネできそうな範囲で手を抜きつつ、アレンジしました。配色をお好みで変更する場合も、おおまかな手順は参考になる部分もあるかと思います。
計画立案
塗装初心者である私自身の課題として、
- 細かい塗分けをする技術は無い
- 道具や塗料をたくさん買い揃えても、今後使わないかもしれないし、そもそも途中で失敗して諦めてしまうかもしれない
という点があると考えました。そこで、
方針
・あまり難しいことはせずに、失敗しなさそうな範囲で一旦やりきってみる
・購入する道具は必要最低限にする
という方針で行くことにしました。私にとっては、「失敗するかもしれない」という心配が、塗装を始める上での最大の阻害要因だったので、今回も、できるだけ技術的なハードルを下げることで、心理的なハードルも下げて、まずは一歩踏み出そう、と考えました。
上級者の塗装事例を見ると、いろいろとマネしてみたい部分も出てくるのですが、まずはそれらには一旦目をつむっておいて、石像のような質感だけを目指してみることにしました。それだけでも、だいぶ雰囲気が出て、ゲームへの没入感も大幅にUPするはずだし、塗り終えた時の愛着もひとしおだろうと予想しました。
道具調達
道具としては、できるだけ家にあったものを使用しました(紙皿、紙コップ、使い古しの絵筆、歯ブラシ、割り箸、ダンボール箱、両面テープ等)。
サーフェイサー(下地塗料)やウェットパレット(塗料の乾燥を防ぐパレット)は、ダイヤルを塗装した際と共通のものを使用しました。詳しくは以下の関連記事をご参照下さい。
塗料
シタデルカラーを使用しました。今回使用した一覧を示します。
1色が数百円のわりと高額な塗料なので、購入する種類が必要最低限になるよう、様々なwebサイトを見て、吟味、厳選しました。
- レイヤー
石像っぽい色のベースとなる塗料です。
ESHIN GREY:石のような灰色です。海外の塗装事例では、ESHIN GREYではなくDARK REAPERを使用しているものもありました。灰色よりも青みがかった色の方が好みの場合は、DARK REAPERの方が良さそうです。 - ドライ
WRACK WHITE:表面の白っぽく見える部分を強調するための、パサパサの塗料です。 - シェイド
Nuln Oil:黒くて薄い墨汁のような塗料です。くぼみに染み込ませると、その部分が暗くなってくれるので、初心者がわりと適当に塗るだけでも陰影を付けることができます。 - ベース
ABADDON BLACK:真っ黒の濃い目の塗料です。台座部分を真っ黒にしたかったので私は用意しましたが、無くても良いかもしれません。
各塗料のリンクは、本記事の末尾に[参考]として記載しました。
手順
タイトルに記載したように、5ステップで実施しました。
(1)洗浄、(2)サーフェイサー、(3)下地塗装、(4)ドライ塗装、(5)シェイド塗装
パッと見、複雑な工程に見えるかもしれませんが、各ステップにつき1色をほぼベタ塗りするだけなので、難易度は高くないと思います。
作業日数としては、乾燥などの待ち時間も含めて2日間でした。(1)の洗浄後は一晩乾燥させ、(2)のサーフェイサー後は3~4時間乾燥させましたが、(3)~(4)の塗装は半日程度で一気にやれました(もちろん、ゆっくりやりたければ、数日かけて塗ることも可能です)。私はできるだけ一気にやりたい派なので、シタデルカラーの乾燥の速さは、とても有難かったです。
以下、各ステップの詳細を記載します。
洗浄
キッチン洗剤と使い古しの歯ブラシで、メンヒルをゴシゴシと丸洗いしました。洗浄後は、キッチンペーパーでよく水気をふき取って、一晩乾燥させました。
目には見えなくても、油汚れ等が付着している可能性があるので、後々、塗料を剝がれにくくするために大切な工程です。
メンヒルは造形が細かいので、奥まった箇所はゴシゴシ擦りにくいかもしれません。もし洗い残しが気になる場合は、ミニチュア全体を洗剤液に数時間漬けたりしても良いかもしれません。私は大雑把に、できる範囲でゴシゴシして終了としました。特に問題はありませんでした。
サーフェイサー
後々つかみやすいように、メンヒルの台座の底面に、ペットボトルのキャップを両面テープで貼り付けておきました。
次に、塗装ブース(という名のダンボール箱)の中で、黒色のサーフェイサー(下地塗料)を吹き付けました。
メンヒルは大きいので、極力大きめのダンボールを用意できると良いです。それでも若干のスプレーのハミ出しは有り得ますので、床を汚したりしないようご注意下さい。基本的には屋外作業推奨です。
なお、サーフェイサーの色にもいくつか種類があり、上級者は重ねる色によって使い分けるようです。ざっくり分けると、暗い色のサーフェーサーから塗装で徐々に明るくしていくか、明るい色のサーフェイサーから徐々に暗くしていくかの2通りになるようです。今回は前者の方針で(あまり深く考えていませんが)、黒を選定しました。海外の塗装動画でも、黒を使用している人が多めでした。ただ、あくまでも下地塗料ですので、灰色等しか手元に無い場合は、それを使っても問題無い(初心者には、違いは感じにくい)だろうと思います。
スプレー後は、埃の少ない室内でしっかり乾燥させました。塗布量や気候にも依るかもしれませんが、私の場合は、3〜4時間経った時点で十分に乾いていました。
下地塗装
全体にESHIN GREYを塗りたくりました。凹んでいて塗りにくい箇所がありますが、多少の塗り残しがあっても、サーフェイサーが黒の場合には影っぽくなるので、あまり気になりません。
ドライ塗装
WRACK WHITEを薄く表面全体に擦りつけました。
ドライ塗装では、一度に塗料を付けすぎないことが重要です。
塗料を筆に付けたら、まず、下の写真のように、キッチンペーパー等で拭き取ります。拭き取ってもなお筆に残っている程度の薄っすらとしたものだけを使います。
筆に残った塗料を擦り付けます。ほとんど何も意識しなくても、表面の凸部にだけ勝手に色が付いてくれます。作業が単純なわりには、一気に良い感じの雰囲気が出てくるので、塗装が上手になったかのような気持ちになれて、とても楽しい工程です。
表面全体を石像っぽい質感にしたかったので、特に濃淡等は付けず、とにかく全体をまんべんなくドライ塗装しました。
なお、ドライ塗装では、毛先が固く広がったような筆の方が作業しやすいです。使い古しの筆等でも大丈夫ですが、もし予算に余裕があるならば、ドライブラシと呼ばれるドライ塗装専用の筆を1本買っておいても良いかもしれません。まずは安いもので良いと思います。
シェイド塗装
奥まった溝のような箇所に、Nuln Oilを塗りました。乾くとその部分だけ暗くなるので、陰影が付きます。
溝から多少ハミ出しても問題ありませんし、もし全体を暗めにしたければ、溝にこだわらずに全体的に塗りたくっても大丈夫です。ある程度、暗くしたい凹部にほど勝手に入り込んでくれるので、わりと大雑把に塗っても、良い感じになってくれます。
最後に、台座にABADDON BLACKを重ね塗りしました。私は台座を真っ黒にしたかったので、このようにしましたが、特にこだわりが無ければ、この工程は省略しても良いと思います。
以上で、全工程が完了です。ひとまず石像風の塗装としては個人的には満足の仕上がりとなりました。
塗装初心者仲間の皆様の参考になれば幸いです。
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