雑学

なぜ鉄は磁石にくっつくの?(わかりやすく簡潔に)

雑学

子ども達から「なぜ鉄は磁石にくっつくの?」と聞かれたとき、スマホを開かずに「それはね・・・」とスマートに説明したいものです。

その時を見据えて予習し、こたえをわかりやすく簡潔に整理しておきます。

こたえ

3ステップで説明できように簡潔に整理すると、以下のようになります。

  1. 鉄の中では、たくさんの微小な磁石のような存在がバラバラの向きで存在しています。その状態では、向きがバラバラなので、鉄全体としては磁石のような性質を持っていません。
  2. しかし、鉄に別の磁石を近づけると、鉄の中の微小な磁石のような存在達が吸い寄せられて、向きがそろい、鉄も磁石のような性質を持つようになります
  3. だから、鉄は磁石にくっつくし、磁石にくっついた鉄に、他の鉄もくっつくのです。

少し詳しく

鉄の中では、たくさんの微小な磁石のような存在がバラバラの向きで存在している

物を何度も砕いて、どんどん小さく分解していくと、0.1 nm(=0.0000001 mm)程度の大きさの「原子」になります。原子の中では「電子」と呼ばれる素粒子が回転しており、その回転が、コイルに電流を流すのと同様の効果を生んで磁気を発生させています。この磁気が、上記のこたえの中で書いた微小な磁石のような存在の正体です。

鉄以外の多くの物質では、原子同士が結合(分子を構成)したりする際に、くっついた2つの原子同士で磁気を打ち消し合うので、磁気が消えてしまいます。しかし、鉄族原子は「3d軌道」という電子の入る特殊な軌道を持っており、3d軌道内の電子は原子同士の結合に関与しないため、そのまま残り続け、磁気が維持されるのです。

鉄の中の磁気の向きがそろい、鉄も磁石のような性質を持つようになる

鉄の中の磁気の向きはバラバラなので、何もしなければ、鉄同士だけでくっつくようなことはありません。しかし、鉄に別の磁石を近づけると、鉄の中の磁気の向きがそろうため、磁石のような性質を持つようになります。だから、鉄は磁石にくっつくのです。磁石から離すと、再び鉄の中の磁気の向きはバラバラになり、磁石のような性質を失います。

通常は鉄のように磁気の向きがバラバラな方が安定ですが、無理矢理、磁気の向きをそろえた状態で固定したものが、「磁石」「永久磁石」と呼ばれるものなのです。

参考

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