こんにちは、ムラサキと申します
2021年12月、待望の「テインテッド・グレイル完全日本語版」が発売されました。
筆者は、本記事執筆時点で第2章攻略中です。ゲームオーバー等々含めて既に何日もプレイ中なのですが、このゲーム、一度始めると4~5時間があっという間に吹っ飛びます。
[ “2022年” 12月 追記]
ほぼ丸一年かけて、最後の第15章までクリアしました!大冒険でした。最後までおもしろかったです!
ダークファンタジーという重めの世界観なので、その世界観に入り込むのは一見ハードルが高そうに見えるのですが、ストーリーに引き込む力、没入感が高く、おもしろさの方が圧倒的にハードルを上回っている印象です。
以下、感想を記載します。ネタバレ防止には配慮しましたので、未購入、未プレイの方もご安心ください。
筆者の購入経緯 = ソロ向けの重ゲーを探して =
筆者のゲーム略歴
筆者は2006年頃に初めて「カタンの開拓者」をプレイして以来、ボードゲームに魅了され、いろいろと遊んでいます。
私が初めて買ったボドゲは、CAPCOM版のカタンでした。15年ほど前(!)の学生時代に遊び倒したので手垢でボロボロですが、思い出がたくさんあるので、今でも大切にしています。絵柄がポップで好きでした。ヘクスの頂点に穴が空いていて、コマを差し込めるように工夫されていたのが、特徴の1つです。 pic.twitter.com/OBkseFa5D3
— The King of Mad Scientists (自作カードゲーム) (@king_of_massai) June 1, 2022
「テインテッド・グレイル」のような協力型のアドベンチャーゲームとしては、例えば「T.I.M.E ストーリーズ」などをプレイしたことがあります。ただ、あまり経験豊富ではなく、いわゆるTRPG系などは全くの未経験です。
「テインテッド・グレイル」購入の経緯
コロナ禍で友人達と集まりづらくなったので、ソロで長く楽しめそうな重ゲーを探したところ、「RPG」「ソロプレイ向け」「デッキ構築」という、私好みの3要素を含んだドンピシャの「テインテッド・グレイル」を見つけ、「これじゃん。絶対に好きじゃん。」という結論に至りました。
「テインテッド・グレイル」は、全15章で構成される、1~4人向けの協力型アドベンチャーゲームです。
一度遊んだら二度と遊べなくなるタイプのレガシーゲームではなく、カードを破いたりシールを貼ったりすることはありません。ストーリーの分岐も多いため、繰り返し遊ぶことも可能です。マルチエンディングだと言われていますので、1回クリアしたとしても、むしろ2回、3回と遊びたくなる仕様だと思われます。お得です。
「テインテッド・グレイル」は没入感が凄い
世界観の作り込みが凄い
そもそも世界観がしっかりと作り込まれています。ゲーム開始早々から、ダークファンタジーの不穏な空気や、謎や不思議が充満していて、圧倒されました。
世界観をまとめた読み物「アヴァロンの見聞録」というものがあるのですが、なんと、製品未購入でも下記の公式ページからPDFを読めるようになっています。購入する前にパラパラと眺めてみて、世界観が自分の好みに合うかどうか検討しても良いかもしれません。
なお、上記のページからは、プリントアウトして遊べる無料体験版もダウンロードできるようです(ボードゲームも、体験版をダウンロードする時代になったのですね…)。
美麗で精巧なミニチュア
このゲーム、なんと言っても目を引くのがミニチュアであることに異論は無いと思います。実際にプレイしてみても、ミニチュアの存在感によって、一気にゲームに引き込まれる感覚があります。
実はゲームの根幹部分は、このミニチュアやカード類ではなく、下の写真の『探索日誌』という厚さ1 cm程度のゲームブックなので、この『探索日誌』を読むことがプレイの中心になります。しかし、実際プレイすると、ゲームブックだけでは味わえない立体感や奥行き、没入感を得られます。ミニチュアの功績が大きいのは明らかです。
『探索日誌』とミニチュアの関係は、例えるならば、パソコンの本体とディスプレイの関係に似ていると思います。
『探索日誌』は見た目は地味ですが内容の大半が詰まっており、パソコンで言うと本体に相当します。ミニチュアは、どちらかというと視覚的な盛上げ要素と言えるので、ディスプレイに相当します。ただ、このゲームの場合、ディスプレイがスーパーハイスペックなのです。3次元で精巧な作りで、実際に触ることができるディスプレイなので、VRゴーグルの比ではありません。こんなハイスペックなディスプレイでゲームをして、没入できないことがあるでしょうか(反語)。
戦闘はサクサク
戦闘はほとんどカードのみで行われて、比較的サクサク進みます。また、ある程度は戦闘から「逃げる」のも主要な選択肢になっています。ゲームブックでストーリーの分岐を楽しむのがゲームの根幹なので、戦闘で間延びしにくいのは良い点だと思います。
アドベンチャー系で人気の「グルームヘイヴン(Gloomhaven)」は、戦闘に軸足が置かれているようなので、相違点の1つと言えそうです(残念ながら、筆者はグルームヘイヴンは未プレイです。こちらは複数人でのプレイが楽しいようなので、いつか家族と遊ぶのが夢です)。
なお、戦闘システムとしては、キャラクターが成長するにつれて、戦闘で使う山札のカードを強いカードに入れ替えて強化でき、だんだんコンボも組めるような形になっています。このあたりのデッキ構築の要素は、没入感とは直接的には関係ありませんが、個人的にかなり好きなポイントの1つです。
さらに没入感をアップさせるには・・・
もし、さらに没入感をアップさせたければ、以下のような方法もあります
・・・冗談です笑。
皆さんは、体調が良くないときや、傷が化膿してしまったとき、どうしていますか?私のオススメは、テインテッド・グレイルです。キャラクターに親近感が湧いて、没入感が倍増します。傷は治りませんが… #テインテッドグレイル pic.twitter.com/PWdywQ0Tf4
— ムラサキ(ボドゲ) (@king_of_massai) June 10, 2022
実際にプレイしてみた感想
筆者のプレイ状況
筆者の場合、累計何十時間かかったとしても、じっくり遊び尽くそうと、腹をくくっており、
- ゲームオーバーになるたびに何度も章の初めからやりなおしたり…
- 一切プレイせずに、ひたすらアヴァロンの見聞録を読みふけったり…
- 付属のミニチュアを塗装したり…
と、かなりの牛歩プレイを満喫中で、購入から1カ月経った時点で、まだ第2章を攻略中、という感じでした。高価なボードゲームなので贅沢品には違いありませんが、値段以上の相当な奥深さがあるので、飽きずに遊び続けられるタイプの人にとっては、悪くないコストパフォーマンスかもしれません(と言って、家族を説得しましょう)。
ミニチュア塗装に関しては、別記事も書きました。塗って楽しい、遊んで楽しい、素晴らしいゲームだと思います。
ソロプレイがオススメ
1冊の『探索日誌』を読むのがプレイの根幹になるので、多人数すぎると情報共有が少し大変かもしれません。初めは1人か2人程度でプレイしてみることをオススメします。ソロプレイの場合にはゲームブックを読書するのに近い感覚で自分だけで決断しながらサクサク進めるので、ゲームに没頭できて非常に楽しいです。多人数プレイも、ストーリー分岐の際にワチャワチャと議論できて、それはそれで楽しそうなので、いつかやってみたいですけどね。
筆者は、2人のキャラクターを1人で操作して、ソロプレイしています。キャラクター間で秘匿しなければならない情報も特に無いため、このように、1人での複数キャラクターの操作も問題ありません。
実際にプレイしてみた感想
2つの意味で、ドM向けなのは間違いないと思います。
① 難易度が高い
② わざわざRPGをアナログゲームでやるなんて、めんどくさい
筆者はドMなので、今のところメチャメチャ楽しめています。
①難易度が高い
シンプルに難易度が高く、探索のゴールがなかなか見つからなかったり、食料が尽きて餓死したりします。分岐の選択次第では理不尽な結果になることもあります。
筆者はドMなので、ゲームオーバー時にはニコニコしながら章の初めからやり直していますが、人によっては数時間プレイしてゲームオーバーになるのは辛いと感じるかもしれません。ただ、もしかすると、やり直しが苦にならないのは、単に筆者がドMだからではなく、「テインテッド・グレイル」のおもしろさ、中毒性のお陰かもしれません。
また、難易度調整の自由が利きやすいのがアナログゲームの長所ですので、もし難しすぎると感じた場合には、ハウスルール等で調整すれば全く問題無いと思います。難易度を下げるための方法の例は、ルールブックにも記載されています。
②わざわざRPGをアナログゲームでやるなんて、めんどくさい
よくある議題なので、このあたりは改めて書くことでもないのかもしれませんが、確かにデジタルゲームの方が準備も不要だし、楽です。
デジタルゲームと比較したときの、アナログゲームの特徴は、主に以下の2点だと考えています。個人的な考えとしては、これらを長所と捉えられるか次第で好き嫌いが分かれるように思います。
アナログゲームの特徴
・立体物にさわることができる(=悪く言えば、準備が大変)
・頭を使う部分が多い(= 悪く言えば、 脳が疲れる)
アナログゲームの準備の際は、わざわざ箱から出して並べたりする必要があり、大変です。しかしその分、3次元の立体物を実際にさわれるスーパーハイスペックなディスプレイだと考えると、ゲーム体験の質としては、VR等の比ではない贅沢な遊び、という見方もできなくもないでしょう。
アナログゲームは、とにかく頭を使うので、それを「楽しい、気持ちが良い」と思えるかどうかは、好き嫌いの大きな分かれ道かもしれません。例えば、デジタルゲームでは、選べる選択肢だけが表示され、ルール的に選べない選択肢は自動的に除外されます。極端な場合には、ボタンを連打していれば勝手に話が進んでくれることもあります。一方、アナログゲームでは、「今、自分が取れる選択肢は何なのか、他にできることはないか」と、自分自身で考えてみる必要があります。また、能動的に自分で何かをしないと、ストーリーは勝手には進んでくれません。そのあたりが大変な面ではあるし、脳が疲れる要因なのですが、その分、リアルに冒険している感覚に近いせいか、ゲームへの没入感も高いように感じます。筆者としては、好きなポイントです。
今後の予定
家族の寝静まった深夜を利用して少しずつプレイしており、今夜も第2章の続きを進める予定です。今後、ストーリーを進めて、また興奮が収まらなくなってきたら、何か追記するかもしれません。
[追記]
購入から丸一年かけて、最後の第15章までクリアしました!
専用のノートを作ってメモを取りながら、じっくり遊びました。
個人的には第2章が難関で、私の場合は攻略に結構時間がかかりました。ただ、第2章を乗り越えると、なんとなく進め方のコツがわかってくる感じで、第3章以降は比較的、右往左往せずに進むことができました(選択した経路による部分もありますが)。
序盤を乗り越えた頃にはゲームシステムに慣れてくるし、キャラクターが成長して爽快感(いわゆる「俺TUEEE」)も増してくるので、さらに面白くなってきます。よくできているゲームなんだと思います。
ストーリーはかなり濃密です。序盤から謎の片鱗はところどころで顔を出していているのですが、はっきりとはわからないという状態がずーっと続きます。これから何が待ち受けているのか、全く想像がつかない状態での冒険が、ものすごくスリリングで興奮します。そして、終盤から、謎が少しずつ解け始めたときの感動がまた・・・。面白かったです!!!
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